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糖尿病の主な症状
糖尿病とは、血糖値が高い状態が慢性的に続く疾患の総称です。日本では現在、予備群を含めると2千万人の患者さまがいると推定されます。血糖値の高い状態が続くと口渇、多飲、多尿、倦怠感、手足の痺れ、体重減少などの症状が出現します。さらに進行すると、全身の血管が障害され、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、失明、足の壊疽(えそ)、人工透析にまで発展し、命の危険にさらされることとなります。また、近年では、自覚症状のない初期の段階でも心筋梗塞等の心血管死亡リスクが高くなることがわかってきました。
糖尿病治療について
糖尿病治療の基本は①食事療法、②運動療法、③薬物療法です。適切な食事療法を行ったうえで、必要に応じて薬物療法を行います。
近年、※GLP-1受容体作動薬や※SGLT2阻害薬といった体重減少作業のある糖尿病薬も登場し、肥満の方ではこれらの薬剤を使用することもあります。GLP-1受容体作動薬は、単独ではほぼ低血糖を起こすことなく、血糖を下げ、食欲抑制や体重減少等の効果もあります。また、心筋梗塞などの心血管イベントや心血管死を抑制するといった効果も報告されています。SGLT2阻害薬は、血中の糖を尿に排出することで血糖を下げる作用があり、体重減少や心筋梗塞、心不全、腎臓の合併症を抑制する効果があると報告されています。そのため、心疾患や腎合併症のある場合は積極的に使用します。
※GLP-1
食事を摂ったときに小腸から出る、インスリン分泌を促すホルモンの一つ。GLP-1受容体作動薬は、このGLP-1の機能を保ったり、体内で分解されにくくする薬です。
※SGLT2(ナトリウム・グルコース共役輸送体)
腎臓の近位尿細管にあるタンパク質の一つで、尿細管から血管内へ糖を運ぶ役割を果たしている物質。このSGLT2の働きを阻害すると血管内への糖の再吸収が阻害され、尿中に残った糖はそのまま尿として体外へ排泄されます。血管内への糖の吸収が阻害されるため、結果として血液中の糖の量が減る、つまり血糖値が下がります。SGLT2阻害薬は腎臓の近位尿細管においてSGLT2を阻害し、尿としての糖排泄を促進することで血糖値を下げる効果をあらわします。
糖尿病外来のご紹介
当院では、月曜日から金曜日まで糖尿病外来診療を行っています。さらに、栄養士による個別栄養指導や糖尿病の方に起こりやすい足のトラブル(水虫、爪変形、角質肥厚、血統障害など)に対し専門的なケアを行う「フットケア外来」など、糖尿病に関するトータルケアを受けることが可能です。外来は完全予約制となりますので、他院からの紹介状をお持ちいただくか、当院で受診されている科の医師にご相談ください。
診察日:毎週月曜日から金曜日 午前9時~ 12時
完全予約制:総合案内でも承っております。
※栄養指導、フットケア外来は原則、当院外来通院中の患者さまが対象となります。