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第一東和会病院

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令和5年度 第一東和会病院
病院指標
医療の質指標
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 15 160 164 158 369 599 903 2127 2158 663
当院は大阪府北部三島医療圏の中核的な役割を担う病院であり、幅広い年齢層の患者さまが来院されます。地域医療支援病院として高度急性期(重症で緊急に治療が必要な患者さま)の救急・手術・入院医療を中心に地域のかかりつけ医と連携して医療を提供しております。2022年4月には、新たに大阪府がん診療拠点病院の指定を受けるなど、多様な疾患に対応できるように病院機能の充実に取り組んでいます。内視鏡センター、内視鏡外科センター、脳卒中センター、膝スポーツ関節鏡センター、ウロギネコロジーセンターなどを有し、三島医療圏の中核病院として各種疾患に対応しています。また、医療圏の範囲を越えた広域からも多くの患者さまが来院されています。
上記指標は令和5年度中に当院を退院した患者さまの総数を10歳刻みの年齢で集計しています。当院が立地している高槻市の人口は令和6年6月末時点では約35万人で、うち約3割が65歳以上の超高齢社会(都市)に該当します。そのため年齢階級別退院患者数では、60歳以上の患者さまが多く、全体のおよそ8割を占めています。80歳代が最も多く、次いで70歳代の順となっています。20歳代以下では、外傷系疾患や虫垂炎などの入院が多くなっており、30~40歳代では婦人科疾患や胆石や膝の靱帯・半月板の損傷などの手術入院があります。50歳代では消化器系や尿路系、骨盤臓器脱など多種多様の疾患で入院されており、60歳代からは眼科系や悪性腫瘍(がん)などの疾患での入院が多くなります。70歳からは脳卒中疾患が多くなり、80歳以上の患者様は肺炎、心不全や転倒による大腿骨骨折などの入院が多くを占めています。地域の患者さまが健康で安心して過ごせるようにかかりつけ医との連携強化に努め、多種多様の疾患に対応できるようにこれからも病院機能の充実を図って参ります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 処置1あり 12 2.00 2.03 0.00 63.17
当科では睡眠時無呼吸症候群の疑いがある患者さまに一晩にわたって睡眠の状態を測定する終夜睡眠ポリグラフィー検査を1泊2日で行っています。睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。標準的治療のCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の導入を行うことができます。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 207 17.82 20.60 21.74 86.34
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 179 2.18 2.61 0.00 66.39
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 86 13.22 13.52 18.60 81.99
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 66 7.86 7.58 3.03 72.17
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃,十二指腸ポリープ・粘膜切除術 49 7.29 7.61 0.00 75.14
吐下血、腹痛、腸閉塞などの救急疾患から、消化器がん、慢性消化器疾患や、肺炎・尿路感染症・腸炎・憩室炎などの炎症性疾患など、消化器領域に限らず、幅広く内科疾患全般の診療を担っています。当科では炎症性疾患の患者さまの治療をたくさん行っています。当科受診患者さまで一番多いのは誤嚥性肺炎、3位は尿路感染症、4位は憩室炎です。年齢・基礎疾患によっても病状は異なり、重症度から治療に要する期間も様々ですが、系列病院や地域の後方病院、施設と連携して退院調整に取り組み、多くの症例で全国の平均より短い期間で退院できています。
2位は大腸の良性ポリープに対する内視鏡下の切除術です。5位の胃の悪性腫瘍の治療ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という病変を一括切除する治療を行います。ESDは胃のほかに食道、十二指腸、結腸、直腸にも対応しています。内視鏡センターには常勤医師7名が在籍し、消化器内視鏡による治療を行っています。
消化器内視鏡治療は患者さまの身体の負担を軽減できる治療方法です。内視鏡に高解像度の超音波が備わった超音波内視鏡 (EUS) を用いて、胆・肝・膵の疾患に対する診断や内視鏡治療も行っています。 内視鏡センターは24時間、365日、夜間・休日の内視鏡手術も対応可能。救急・近隣医療機関からの紹介患者さまも多く受け入れ、三島医療圏の皆さまの健康を守っています。
また、当院の医師は、臨床教育教授として医学生・研修医に指導、当院医師への教育・技術の向上にも努めています。 内視鏡センターは24時間、365日、夜間・休日の内視鏡手術も対応可能。救急・近隣医療機関からの紹介患者さまも多く受け入れ、三島医療圏の皆さまの健康を守っています。
また、当院の医師は、臨床教育教授として医学生・研修医に指導。当院医師への教育・技術の向上にも努めています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 122 16.07 17.38 17.21 84.40
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 68 18.84 20.60 23.53 88.34
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 処置1あり 17 2.00 2.03 0.00 56.82
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 処置等1_なし,1あり 処置2なし 定義副傷病なし 16 26.50 21.90 37.50 84.63
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 処置2なし 13 20.62 20.03 15.38 84.77
1位と4位の心不全患者さまは左室駆出率(心臓が1回に送り出す血液量の割合)の低下を認めない拡張性心不全(HFpEF)の割合が高くなっています。この心不全の原因として、高血圧、虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、心筋炎などがあり、薬物療法を主体に予防や治療を行っています。心臓カテーテル検査、治療、メカニカルサポート、手術治療の適応となる患者さまに対しては、大阪医科薬科大学病院と連携を取り、スムーズな治療が行える体制を構築しています。心不全治療では「心不全サムスカ導入パス」を運用し、計画的な入院治療を行っています。心不全のうっ血コントロールに適した利尿薬ですが電解質異常などのリスクがあるため、入院による導入が必要です。内科系疾患では2位の誤嚥性肺炎の他に尿路感染などの炎症性疾患の患者さまが多く、内科医師全員で診療しています。3位には循環器疾患の原因となる睡眠時無呼吸症候群のPSG精査(終夜睡眠ポリグラフィー)入院が該当し、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)導入を積極的に行っています。ペースメーカー植え込み術や深部静脈血栓症などの治療にも対応しています。5位の敗血症は感染症に臓器障害が生じている病態で人工呼吸器管理、血液浄化などを組み合わせた治療を行っています。重篤な病態であるため、長期の入院が必要である場合もあります。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 処置2_1あり 10 12.80 13.99 10.00 71.10
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 処置2なし 10.66
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 処置2_1あり 19.00
100210xxxxxxxx 低血糖症 6.80
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13.52
入院症例の多くは血糖コントロール目的の入院で糖尿病専門医によるきめ細やかな診療を行っています。医師以外にも管理栄養士、薬剤師など、多職種が連携して患者さまをサポートしています。特に療養において重要となる生活習慣について、個々の患者さまの問題点を抽出し、問題解決につながる指導を実施しています。同時に、合併症、および病態の精査も実施し、必要があれば循環器内科、眼科などの他科と連携した治療を行っています。
その他では低血糖による意識障害などの救急疾患や他科入院で血糖コントロール不良な患者さまに対し、他科と連携して診療を行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 135 3.33 4.55 0.00 71.30
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 112 5.34 6.87 2.68 64.73
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 64 5.31 5.98 0.00 64.92
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 46 5.98 9.68 0.00 51.65
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 36 4.19 5.29 0.00 38.47
8名の内視鏡外科医が在籍し、6名が技術認定医(一定の要件を満たし、技術認定試験に合格)を取得しています。2019年6月には腹腔鏡手術10000症例を達成しました。腹腔鏡手術は短い入院期間で退院することが可能な患者さまに負担の少ない手術です。1年間で約700例の腹腔鏡手術を行っています。上位5疾患のほとんどが腹腔鏡による手術症例です。上記疾患以外にも、悪性腫瘍や肛門疾患、腸閉塞など消化器疾患の手術治療を多く行っています。また、夜間、休日など24時間365日緊急手術が可能な体制を整えており、内視鏡外科センターとして近隣医療機関からの紹介患者さまも多く受け入れています。2022年4月に大阪府がん診療拠点病院の指定を受けました。悪性腫瘍の手術治療から、手術を施行した患者さまへの定期的検査や、化学療法による補助療法も行っており、認定看護師を含めた多職種チームで患者さまの治療に取り組んでいます。当科では上位5疾患で入院された多くの患者さまが全国平均の入院期間よりさらに短い期間で退院しています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等 23 5.09 5.93 0.00 44.35
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(膣式を含む)腹腔鏡によるもの等 22 4.95 6.00 0.00 56.41
120110xx02xxxx 子宮・子宮附属器の炎症性疾患 骨盤腹膜外膿瘍切開排膿術等 12 5.50 9.18 0.00 38.33
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 12 2.08 2.78 0.00 49.67
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 9.23
婦人科内視鏡学会の認定施設であり、子宮筋腫や子宮内膜症、骨盤内癒着、卵巣腫瘍などの良性疾患の鏡視下手術(腹腔鏡・子宮鏡)を主に行っています。近隣医療機関からの紹介患者さまも多く受けています。また、不妊専門施設と連携して不妊症に対する手術治療も積極的に行っております。1位の子宮筋腫、2位の卵巣腫瘍、3位の子宮附属器の炎症性疾患はいずれも腹部を大きく切開しない鏡視下手術を行えるため、短期間で退院することが可能です。クリニカルパス(入院中の予定・スケジュール表)を作成して治療・検査のスケジュールを患者さまと共有しながら診療に取り組んでいます。病巣が大きく腹腔鏡下での手術が困難な症例では、開腹手術も行っています。3位の女性性器のポリープは子宮内膜にできた良性腫瘍で1泊2日で入院治療を行っています。外来での子宮鏡検査も可能で、子宮鏡下の筋腫・ポリープ切除も行っています。外来では月経不順、月経困難症、更年期症状などに対して総合的に診察を行い、ホルモン治療、漢方治療、プラセンタ注射などを行っています。また、婦人科領域の健診・予防注射にも対応しており、早期発見・疾患予防にも努めています。
女性泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 419 7.89 7.89 0.00 72.87
11013xxx04xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石,異物摘出術 経尿道的手術等 70 5.30 5.09 0.00 68.43
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置2なし 6.85
11013xxx97xxxx 下部尿路疾患 その他の手術あり 10.82
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 4.02
2015年3月よりウロギネコロジーセンター(女性泌尿器科)を開設して地域の患者さまだけでなく、全国規模で骨盤底の障害を有する女性患者さまが当科を受診。手術治療を行っています。1位の子宮脱、膀胱脱などの骨盤臓器脱と2位の尿失禁に対する手術治療が代表的なものになります。3位は膀胱腫瘍に対する内視鏡的切除手術治療の症例です。その他には難治性過活動膀胱に対して神経を刺激して尿失禁を改善させる仙骨神経刺激装置植込術や間質性膀胱炎に対する手術なども行っています。内服治療では効果がでない過活動膀胱に対しては2020年に保険収載されたボトックス膀胱壁内注入療法も行っています。骨盤臓器脱や尿失禁(尿もれ)でお悩みの方の症状改善に努めています。お悩みの方はお気軽にご相談ください。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置2なし 251 5.53 6.85 0.80 72.67
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 処置2なし 28 2.89 4.51 3.57 72.82
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 20 4.15 5.22 0.00 69.20
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 16 2.06 2.44 0.00 78.50
110420xxx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 14 2.57 4.02 0.00 69.07
1位は膀胱癌に対する内視鏡的切除手術で、当院は大阪医科薬科大学病院と連携して手術治療を行っています。そのほかにも加齢に伴い発症する前立腺肥大に対する内視鏡的切除術も行っています。2位は慢性腎不全の透析治療に用いるシャントの閉塞・狭窄を改善する治療です。3位は尿管結石に対する手術治療になります。手術は経尿道的に尿管鏡下で行います。4位は前立腺がん診断目的の入院で1泊2日の短期入院パス(入院中の予定・スケジュール表)に基づいて診療に取り組んでいます。5位は尿管にステントという医療器具を用いて水腎症や尿管狭窄を改善する手術治療です。
24時間365日の救急医療を行っているため、尿路結石・尿閉・血尿など泌尿器領域の急性疾患に幅広く対応しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩,股等 201 19.10 25.50 79.10 84.00
070050xx97xxxx 肩関節炎,肩の障害(その他) 手術あり 65 16.89 20.54 32.31 67.34
160690xx99xxxx 胸椎,腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 62 15.18 19.34 82.26 82.11
160620xx01xxxx 肘,膝の外傷(スポーツ障害等を含む) 腱縫合術等 62 14.94 13.04 0.00 27.61
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨,上腕,大腿等 51 6.02 14.00 11.76 70.76
24時間365日、緊急患者さまを受け入れる体制を整えており、骨折などの外傷性疾患の急患に対応しています。膝関節、肩関節、足関節、脊椎・脊髄疾患など、運動器ごとに専門がおり、質の高い医療を提供しています。2016年より膝スポーツ関節鏡センターを開設し、北摂地区の膝スポーツ障害、膝関節症に苦しむ患者さまに診療を行っています。高齢者の増加に伴い、骨粗鬆症の影響で発生する大腿骨近位部骨折と胸椎・腰椎圧迫骨折や外傷による肩関節周辺の骨折手術が入院患者数の上位を占めています。スポーツによる膝前十字靱帯損傷を中心とした膝関節障害や腱板断裂などの肩関節障害に対する手術も関節鏡を用いて専門に行っており、肩が2位で膝が4位に該当します。高齢者に多い変形性膝関節症に対する人工関節置換手術や、高位脛骨骨切り術など、若年から高齢者まで骨折、靱帯損傷、変性疾患など幅広く治療しています。
また、回復に重要な要素となる術後のリハビリテーションは院内に運動器ごとのエキスパートが在籍しています。また、当グループの系列病院にもリハビリテーション病院を有しており、連携強化に努めています。当院では手術などの急性期治療を中心に行い、系列のリハビリテーション病院で充実したリハビリテーションを実施することで、できるだけ短い入院期間で在宅復帰していただけるよう体制をつくっています。
地域の緊急患者さま、膝関節鏡センターへ紹介来院される患者さまを継続して受け入れられるように当院での入院期間短縮にも取り組んで参ります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 46 17.61 19.09 58.70 71.11
010060×2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0,1又は2 44 12.36 15.70 22.73 72.82
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 処置2なし 定義副傷病なし 36 5.47 8.38 5.56 72.31
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 処置2なし 定義副傷病なし 22 6.64 9.88 0.00 71.86
010060×2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内,かつ,JCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2_4あり 定義副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0,1又は2 18 11.83 17.39 38.89 76.72
脳卒中診療(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血等)に力を入れております。2022年度から常勤医を増員し、3名の脳神経外科専門医で地域の脳卒中センターとして24時間365日体制で脳卒中の診療を行っています。急性期血栓溶解療法(t-PA静注療法)、脳血管内手術(カテーテルによる血栓回収術など)、開頭手術などの高度な治療を緊急で行えるように体制を整備しています。病状の進行や後遺症を抑えるためには早期のリハビリテーションが重要なため、リハビリスタッフと共に早い段階から身体機能の改善に取り組んでいます。他にも3位、4位の頭蓋内損傷などの外傷性疾患やてんかん発作、未破裂脳動脈瘤に対する検査入院からコイル塞栓術などの脳血管内治療も行っています。また脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患など、幅広い病状に対応しております。急性期治療終了後は、病状に応じて東和会グループを始め、近隣の回復期リハビリテーション病院、慢性期療養型病院、地域のクリニック等へ紹介し、退院していただきますが患者さまにとって最良の選択となるようにコーディネートしています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼 406 2.02 2.54 0.00 76.64
020200xx9710xx 黄斑,後極変性 手術あり 処置1あり 処置2なし 43 4.35 5.67 0.00 72.40
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 42 3.88 4.88 0.00 77.86
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 40 5.45 4.82 0.00 77.88
020220xx9700xx 黄斑,後極変性 手術あり 処置1なし 処置2なし 24 5.50 5.71 0.00 79.17
1位の白内障は主に加齢によって目の水晶体が濁ってくる病気です。当院では日帰り手術を推奨しています。期間が短く、患者さまの身体的負担も少ないことがその理由です。2位・5位は糖尿病網膜症や黄斑円孔などの網膜疾患です。3位の硝子体疾患・4位の緑内障は放置することで失明の危険性がある重篤な疾患であり、手術による治療を行っています。これらの疾患は、クリニカルパス(入院中の予定・スケジュール表)による計画された入院診療で全国の他病院の平均的な入院日数より短い期間で退院いただくことが可能です。そのほかにも鼻涙管閉塞症や斜視、眼瞼下垂症などに対する手術治療も行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍,急性扁桃炎,急性咽頭喉頭炎 手術なし 29 5.86 5.51 3.45 39.31
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 24 5.46 4.73 0.00 62.50
030230xxxxxxxx 扁桃,アデノイドの慢性疾患 16 8.75 7.53 0.00 30.50
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 10 8.10 8.71 0.00 67.30
030428xxxxxxxx 突発性難聴 8.55
1位はのどの急性炎症疾患です。高熱を伴う場合や膿がのどに溜まった場合、炎症がひどく、息の通り道(気道)が狭窄している場合などは、入院治療を行っています。2位の前庭機能障害とは急性発症した耳鼻科領域のめまい症疾患です。3位は慢性扁桃炎に手術を行った症例です。繰り返す高熱などの症状から扁桃摘出を検討した症例になります。4位の顔面神経麻痺と5位の突発性難聴は地域の病院・診療所から紹介入院を受け入れており、クリニカルパス(入院中の予定・スケジュール表)による標準的診療計画に基づいた入院診療を行っています。入院される症例では、基礎疾患として糖尿病を合併されていることが多いため、看護師、薬剤師・管理栄養士も治療に参加してチームで患者さまをサポートしています。その他当科では中耳炎、外耳炎、耳鳴、アレルギー性鼻炎などの疾患も取り扱っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 69 14 25
大腸癌 70 16 28 49 40
乳癌
肺癌
肝癌

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

5大癌とは、発症症例数が多いとされる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝臓癌のことをいいます。StageⅠ~Ⅳの分類は癌の進行度と拡がりの程度を表すものです。UICC(国際対がん連合)が定めた腫瘍の病気分類を元に、T(原発腫瘍の拡がり)、N(所属リンパ節転移の有無と拡がり)、M(遠隔転移の有無)を評価しています。
当院では、胃癌、大腸癌の症例数が多く、消化器系癌に特化しており、また、StageⅢ、Ⅳの症例も多く、重症症例が多いことが分かります。大腸癌は進行癌(大きくなっていたり、できた場所から広がっている癌)の割合が高くなっています。乳乳癌、肺癌、肝癌は10件未満のため、ステージ別の詳細は示していません。
当院は2022年4月に大阪府がん診療拠点病院の指定を受けました。手術や化学療法などを組み合わせた集学的治療や緩和ケア医療の提供と高度な技術の提供に努めて参ります。また、他の大阪府がん診療拠点病院と連携や、がんに関する各種情報の収集・提供等の取り組みから地域全体のがん医療の向上に貢献して参ります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 6.65 59.18
中等症 78 12.27 78.94
重症 68 18.51 83.76
超重症 40 19.28 86.05
不明 0 0.00 0.00
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことをいいます。 重症度は、A-DROP「年齢(Age)」「脱水(Dehydration)」「呼吸(Respiration)」「意識障害(Orientation)」「血圧(Pressure)」を基準に沿って評価し、その結果を合算したもので、評価数値が高ければ重症となります。 この指標により高齢者の方は肺炎に罹患すると重症化してしまうことが把握できます。マスク、手洗い、うがいなどの標準予防策の実施や禁煙などに取り組み、肺炎予防に努めましょう。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 175 19.47 77.86 43.75
その他 17 17.06 76.88 3.65
この指標は、脳梗塞で入院された患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を発症から入院までの日数別に示しています。脳梗塞とは、脳に栄養を与える動脈の閉塞、または狭窄のため、脳虚血を来たし、脳組織が壊死、または壊死に近い状態になることをいいます。後遺症が残ることも多く、長期間のリハビリテーションを必要とするためリハビリテーション専門病院に転院する患者さまが多く、転院率が高い傾向があります。当院では脳卒中センターを開設し、24時間365日体制で脳卒中の診療を行っております。提供している専門診療としては、「発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対するt-PAを用いた経静脈的線溶療法」や「超急性期脳梗塞に対する血管内治療(機械的再開通療法や局所線溶療法)」を行っています。術後は早期にリハビリを開始して病状の進行を抑え、身体機能の改善に努めています。急性期治療後は退院していただきますが、東和会グループのリハビリテーション専門病院で充実したリハビリプログラムによる治療を受けていただいたり、近隣のリハビリテーション専門病院に紹介するなど、患者さまにとって最良の方法を選択しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 145 0.68 1.73 0.00 67.39
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 64 0.95 4.39 0.00 66.94
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 50 0.00 0.36 0.00 66.32
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 49 0.88 5.41 0.00 75.14
K654 内視鏡的消化管止血術 38 1.71 14.34 26.32 77.24
日本消化器内視鏡学会指導施設の認定を受けており、指導医・専門医の認定を持つ医師と消化器内視鏡技師の資格を持つスタッフが、安全で質の高い治療を行っております。臨床教育教授として医学生・研修医に指導している常勤医師も在籍しており、技術の向上に取り組んでいます。1位・3位の内視鏡的ポリープ・粘膜切除術は来院前もしくは来院後に下剤を服用する2種類のクリニカルパス(入院中の予定・スケジュール表)を作成しています。 患者さまのニーズに合わせて、日帰りの外来手術を行うことも可能です。
また、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)(2位:大腸・4位:胃)は身体的負担の少ない低侵襲手術で早期がんに対して行っております。十二指腸、食道などの臓器にも対応しております。5位は消化管の出血病変を止血する手術です。24時間365日緊急内視鏡が対応可能な体制を整えており、吐下血や消化管異物、急性胆管炎などの緊急内視鏡手術対応が可能です。その他では食道、十二指腸、大腸ステント留置や胆・肝・膵に対しての内視鏡的治療を積極的に行っております。消化器外科医と合同カンファレンス(治療方針についての話し合い)も実施し、他科と連携した質の高い治療を提供しております。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 215 0.82 4.51 3.72 66.31
K634 腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(両側) 130 1.05 1.36 0.00 70.83
K671-21 腹腔鏡下胆管切開結石摘出術 胆嚢摘出を含むもの 55 1.98 8.84 7.27 78.13
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの 46 0.17 4.80 0.00 51.65
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 35 0.20 3.03 0.00 38.46
日本内視鏡外科学会の技術認定医6名の体制で、24時間365日緊急手術に対応しています。手術の多くは腹腔鏡下で実施、上位5手術は良性疾患の手術が占めています。がん治療にも力を入れており胃、結腸、直腸、などの様々な消化器疾患の悪性腫瘍に外科的治療を行っています。その他には、腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)を消化器内科医師と合同で行っています。患者さま個々の状態に合わせ、安全性、病気の進行具合とのバランスを考慮し、身体にかかる負担が少ない治療を心掛けています。3位の腹腔鏡下胆管切開結石摘出術(胆嚢摘出を含む)は従来では2ステップで行われていた内視鏡手術(内視鏡的乳頭切開術+腹腔鏡下胆嚢摘出術)を1ステップで治療する手術です。乳頭切開による膵炎や胆管炎・結石再発のリスクを回避できる手術で大きな合併症は生じていません。全国的にも非常に珍しい当科の特徴的な手術で、2ステップの治療より短い期間で退院することが可能です。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 22 1.50 3.14 0.00 56.73
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 15 1.00 4.27 0.00 46.93
K8862 子宮附属器癒着剥離術(両側)(腹腔鏡) 13 1.00 3.46 0.00 37.92
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 12 0.08 1.00 0.00 49.67
K8731 子宮鏡下子宮筋腫切出術(電解質溶液利用)
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が在籍しており、不妊の原因となる子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣腫瘍、卵管水腫、骨盤内癒着に対する腹腔鏡手術を積極的に行っています。不妊を伴う患者さまの手術は不妊専門施設と連携しています。子宮鏡手術なども取り入れています。鏡視下手術(腹腔鏡・子宮鏡)は腹部を大きく切開せずに行えるため、短期間で退院することが可能です。常に患者さまの身体にかかる負担が少ない治療を心掛けています。病巣が大きく腹腔鏡下での手術が困難な症例では、開腹手術も行っています。患者さまに一番適切な術式を選択し、安全性を十分に考慮し、手術治療を行っています。また、腹部を全く切開せず膣から行う腹腔鏡(vNOTES)も導入しています。子宮鏡下で行うポリープ切除術については日帰りの外来手術にも対応しています。当科ではほとんどの手術症例でクリニカルパス(入院中の予定・スケジュール表)を導入しています。定期的にパスの改訂を行い、患者さまに最善の医療が提供できるように取り組んでいます。
女性泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K802-21 膀胱脱手術 メッシュを使用するもの 247 1.00 6.20 0.40 75.46
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 120 1.04 6.03 0.00 67.36
K8232 尿失禁手術 その他のもの 69 1.01 3.30 0.00 68.42
K860-2 膣断端挙上術(膣式、複式) 17 1.00 4.12 0.00 71.53
K860 膣壁形成手術 14 1.00 2.93 0.00 73.57
ウロギネコロジーセンターとして全国から患者さまを受け入れており、九州から北海道まで県外からも多くの方が来院されます。主に骨盤臓器脱、腹圧性尿失禁に対する手術を実施しています。骨盤臓器脱ではLSC(腹腔鏡仙骨膣固定術)と膣式メッシュ手術を積極的に行っています。2023年度には当科の技術を学びたいと希望された医師を海外から迎えるなどグローバルに活動することができました。2024年度は新たに2名が当科の技術を学びにきています。 患者さまの安全、QOLの改善を第一に考えて日々、技術を磨き、ウロギネコロジーセンターはこれからも成長し続けます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 (電解質溶液利用) 253 1.09 3.47 0.79 72.70
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 0.48 5.48 4.00 72.44
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 (初回) 24 0.54 2.63 4.17 73.75
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 20 0.70 2.45 0.00 69.20
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用)
最も多いのは膀胱癌に対する切除手術です。内視鏡を用いて開腹せずにできる安全性の高い手術です。2位の経尿道的尿管ステント留置術は尿の通り道を確保する治療です。尿管に石が詰まったり、尿管周囲の何らかの病気により、尿管が狭くなった場合、腎臓に水がたまる水腎症の発症やそれに伴う危険性があります。尿道内にステントという器具を配置することで尿管が詰まるのを防ぎます。
ステントは定期的な交換が必要です。3位は人工透析が必要な患者さまのシャント(人工血管)の拡張術・血栓除去術です。4位の経尿道的尿路結石除去術は麻酔下に尿道から尿管鏡という細い内視鏡を挿入し結石を目視しながらレーザーで破砕する手術です。5位は前立腺肥大症に対して内視鏡を用いて行う切除手術で近年積極的に行っています。その他では尿道を通して行う膀胱結石摘出術などの治療を実施しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 172 1.22 12.58 56.98 78.83
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術 前腕、下腿 108 0.97 1.40 0.00 43.90
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 105 1.72 5.70 15.24 63.46
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 102 1.32 16.65 76.47 82.12
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 76 1.80 15.89 85.53 73.50
1位・4位の多くは、大腿骨近位部骨折に対する手術です。大腿骨近位部骨折は早期に手術治療を行うことで、機能予後、生命予後(経過)が良くなることが報告されているため、当院では可能な限り早期手術に取り組んでいます。2位の骨内異物除去術(抜釘術)は、多くの場合は短期入院(2泊3日)で行っています。3位は前腕・下腿骨の骨折に対する手術です。受傷後、できるだけ早期に手術を行い、リハビリテーションを開始することで、患者さまのADL(日常生活動作)低下防止に努めています。5位の関節疾患に対しては、人工関節置換術以外にも関節形成手術や関節温存手術である高位脛骨骨切り術も積極的に行っています。その他では膝スポーツ障害に対して膝前十字靭帯再建術、膝半月板手術などの手術や肩腱板断裂、外反母趾手術、足関節靱帯再建術などの手術治療を部位ごとの専門医が行っています。手術後は東和会グループ系列の回復期リハビリテーション病院で集中的にリハビリを行い、早期回復に多職種で取り組んでいます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 31 1.13 13.26 32.26 76.77
K178-4 経皮的脳血栓回収術 13 0.15 27.23 76.92 86.31
K1781 脳血管内手術 1箇所 13 1.23 21.23 38.46 65.77
K1342 椎間板摘出術 後方摘出術 12 1.00 9.75 16.67 64.25
K1742 水頭症手術 シャント手術
1位の慢性硬膜下血腫に対する血腫穿孔洗浄術は、脳神経外科領域において特に多く行われている手術です。慢性硬膜下血腫はご高齢の方の頭部外傷が主たる原因とされており、外傷後1-2ヶ月で発症することが多いです。発見が遅れると危険な状態にもなりかねないものです。血腫穿孔洗浄術は局所麻酔で行えることも特徴ですが、緊急で行う場合もあります。2位は脳血管に血栓が詰まることで起こる超急性期脳梗塞に対する血栓回収術です。脳梗塞は突然発症し、高度な障害を残したり、命を落とすこともある危険な病態で、早期診断・治療が要求されます。当院では脳卒中センターを開設し24時間365日脳卒中の診療を行っています。救急隊から受け入れ要請が入ると救急到着前より情報を各部署と共有し、少しでも早く治療を開始できるよう努めております。3位の脳血管内手術(カテーテル治療)はここ数年で著しく発展している治療方法です。頭部を開頭せずに鼠径部(足の付け根)や肘の動脈から挿入したカテーテルを用いて脳動脈瘤の治療を行います。加齢や動脈硬化などが要因で狭窄してしまった(狭くなった)頚動脈に鼠径部(足の付け根)の血管からカテーテルを挿入し、ステントを留置する手術(経皮的頚動脈ステント留置術)も行っています。5位の水頭症手術は髄液の循環を改善させるために過剰な髄液を腹腔内に排出させる管を体内に埋め込む手術です。そのほか、脊椎疾患などの手術も行っており、幅広い疾患に対応しております。いずれの治療に際しても、迅速に診断し、治療を早期に始めることを心がけております。手術後は東和会グループの系列病院の回復期リハビリテーション病院で集中的にリハビリを行い、早期回復に多職種で取り組んでいます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 419 0.00 1.06 0.00 76.54
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 103 0.00 3.99 0.00 72.84
K2682イ 緑内障手術 流出路再建術 眼内法 51 0.00 1.82 0.00 77.39
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 40 0.00 3.00 0.00 77.15
K204 涙嚢鼻腔吻合術 21 1.00 2.24 0.00 78.95
1位は白内障に対する水晶体再建術で視力低下を改善する治療です。患者さまのニーズに合わせて、日帰り手術、入院手術を選んでいただけます。日帰り手術の場合は、術前術後にゆっくり休養できるよう環境を整えています。次いで挙げられるのが、硝子体茎顕微鏡下離断術です。増殖糖尿病網膜症や網膜剥離、黄斑円孔などの網膜硝子体疾患に対する手術です。患者さまの状態によっては、上記の白内障手術と硝子体手術を同時に行うこともあります。3位の緑内障は放置すると失明の危険が伴う重篤な疾患です。5位の涙嚢鼻腔吻合術は目と鼻をつなぐ鼻涙管が閉塞して眼脂や涙が溜まってしまう鼻涙管閉塞症に対する手術です。その他では加齢の影響などによって瞼の機能に異常を生じる眼瞼下垂手術も行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃摘出術 17 1.00 6.76 5.88 29.76
K368 扁桃周囲膿瘍切開術
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
K467 頸瘻、頸嚢摘出術
当科では主に慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術(摘出)を行っています。
扁桃周囲膿瘍は腫脹が広がることで空気の通り道が狭くなり、窒息するおそれが生じるため、扁桃周囲膿瘍切開術や点滴による入院加療を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 18 0.25
180010 敗血症 同一 26 0.35
異なる 25 0.34
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 20 0.27
異なる
この4指標は感染症及び合併症の症例数、発生率を示したものです。
DIC(播種性血管内凝固症候群)とは外傷、悪性腫瘍、重度の細菌感染症などをきっかけに全身の細い血管に血栓が生じたり、過度の出血症状が見られたりする重篤な合併症です。敗血症とは細菌やウイルスによる感染が全身に広がり、様々な臓器障害を起こした状態のことで全身性炎症反応症候群ともいいます。入院契機の欄にある「同一」とは、来院された時点ですでに重症な感染症を発症されていた症例です。「異なる」とは、感染が入院後に悪化した症例や、入院後に重篤な合併症が起きた症例です。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が
実施された患者数(分 子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1394 1179 84.58
全身麻酔の手術などを行う場合に同一体位で静止することで下肢の血行不良で血栓ができることがあります。これを深部静脈血栓といい、できた血栓が足の静脈から血流に乗って押し流され、心臓を通り抜けて肺の血管に詰まると、「肺血栓塞栓症」という状態になり、命にかかわる場合があります。
この深部静脈血栓を予防するために、当院では手術中は弾性ストッキングやフットポンプ(間歇的空気圧迫装置)を装着して血液が淀まないようにしています。術後には早期に離床を促すことで肺血栓塞栓予防に取り組んでいます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
564 553 98.05
血液培養は血液中の細菌の有無を確認したり、感染菌の種類を特定するために行います。ただし、皮膚常在菌による汚染のリスクなどで偽陽性になる場合があります。2セット採取することで、常在菌の混入か血液中に存在する病原菌か判断しやすくなります。偽陽性による過剰治療を防ぐためにも血液培養は2セットで実施することが推奨されています。当院は98.05%と高い実施率であることが分かります。
一方でこの指標とは別に抗菌薬適正使用の観点から血液培養検査の提出率についてJ-SIPHE(感染対策連携共通プラットフォーム)に参加する全国の施設と比較・検証する取り組みを行っています。2021年は全国施設の中央値と比べると3分の1程度の低い提出率でしたが、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)による院内ラウンドの実施によって2023年には血液培養検査の提出率は約2倍に増加し、全国施設の中央値程度まで高まりました。今後も医療と質改善に取り組んで参ります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
470 370 78.72
抗菌薬を使用することで新たに抗菌薬に耐性のある菌が発生してしまい、抗菌薬が効かない難治症例が増加していることが世界的な問題になっています。 広域スペクトル抗菌薬(幅広い細菌に効く抗菌薬)は効果が広範囲に及びますが、副作用や耐性菌のリスクも高まります。培養検査によって原因菌が特定できれば、より狭域の抗菌薬を使用することが可能となるので適正な治療法を選択するために培養結果は重要な情報です。
不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になるため、当院では医師・看護師・薬剤師などの多職種によるチームで抗菌薬の適正使用に取り組んでいます。培養検査や抗菌薬の使用状況を定期的にモニタリングすることで改善や対策を講じています。
更新履歴
    2024年9月30日 更新履歴

  • 2024年9月30日 令和5年度「病院指標」を公開しました。