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前立腺肥大症とは
前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱の下方、骨盤底部にあり、尿道(膀胱以降の尿の通り道)を取り巻いています。正常の前立腺は18-20g、クルミ大の大きさです。機能としては、精液の一部となる前立腺液をつくっています。加齢とともに(特に50歳以降に)前立腺が肥大し、尿道が圧迫され、さまざまな症状が表れることがあります。これを前立腺肥大症といいます。
前立腺肥大症の症状
〇排尿症状
- トイレに立ってから、おしっこまでに時間がかかる
- 1回にかかる時間が長くなる
- 尿の勢いが弱くなる
- おしっこの切れが悪くなる
〇蓄尿症状
- おしっこを我慢できなくなる
- トイレに行く回数が増える
- 我慢できずに漏らしてしまう
〇排尿後症状
- おしっこをした後も尿が残っている感じがする
症状が悪化した場合は上記に加えて尿閉(膀胱内にたまった尿が出せずにお腹が張ってくる)、溢流性尿失禁(膀胱にたまった尿がペニスから漏れ出てくる)、さらに悪化すると上部尿路である腎臓からの尿の流出が妨げられ、水腎症が見られるようになります。
前立腺肥大症の検査・診断
超音波検査やCT、MRI、場合によっては膀胱鏡検査などを行い、前立腺の大きさや、膀胱内の状態、排尿に影響を与えるほかの問題が無いか確認します。
前立腺肥大症に対する手術治療について
状態が落ち着いている前立腺肥大症であれば投薬にて症状緩和を図りますが、尿閉など症状の強い方は尿道に管を入れて尿の流出路を確保しなければならないことがあります。
薬の効果が不十分もしくは内服継続困難な方、尿道の管が必要な方で、かつ全身の状態が良ければ手術の適応となります。
前立腺癌が疑われる場合を除き、尿道から内視鏡を入れて行う手術(経尿道的前立腺核出術)が一般的です。
当院では全身麻酔を基本とし、経尿道的前立腺核出術の中でも電気メスを用いた術式である「TUEB」を行っています。TUEBは大きな前立腺肥大症に対しても適応があり、当院にて100gを超えるような症例でも手術を行っています。
全身麻酔を採用することで、痛みや手術時間を気にすることなく手術を受けて頂けます。
入院した当日に手術を行い、2泊3日の短期入院で治療が完結する例もあります。手術の終了時間が早ければ、当日夕食から食事再開となる例も珍しくありません。退院後は半年間ほど、数回外来受診をして頂くのが一般的です。
当院での治療相談
泌尿器科外来にて常勤医師にご相談頂ければ状況を精査し、手術の適応があるか確認させて頂きます。
ご相談される方は、以下の番号にお電話いただき、ご予約をお願い致します。