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若年性特発性関節炎の主な症状
若年性特発性関節炎は、小児膠原病(リウマチ性疾患)の一つで、16歳未満のお子さまに発症する6週間
以上続く原因不明の関節炎です。日本での有病率は小児人口1万人あたり約1人程度で、国際リウマチ学
会の分類基準により7つの病型「全身型」「少関節炎」「リウマトイド因子陰性多関節炎」「リウマトイ
ド因子陽性多関節炎」「乾癬性関節炎」「付着部炎関連関節炎」「未分類関節炎」に分けられていま
す。このうち全身型は2週間以上続く発熱と関節炎を認め、特徴的な皮疹や全身のリンパ節腫脹、
肝脾腫や漿膜炎を伴うこともあり、集中治療が必要になることもあります。以前はStill病(スティル病)
と呼ばれていました。
その他の病型は、関節の炎症が主たる病態で、関節の痛みや腫れを認めます。症状を認める関節
の数や、自己抗体(自己免疫性疾患の方で陽性となりやすい血液所見)、関節のどこに炎症が
存在するかで病態が違い、予後や治療法が少し異なります。また、合併症として、ぶどう膜炎(眼
の炎症)を認めることがあり、放置すると重大な視力障害を認めることもあり注意が必要です。
若年性特発性関節炎の治療について
関節に原因不明の痛みがあったとしても整形外科的疾患(外傷等)のであることも多く、関節。
炎が存在したとしても、特に病初期はレントゲンや診察だけでは鑑別は困難なことがあります。
関節炎の有無を判断する方法としてMRI検査や超音波検査があります。
また、他の疾患(他の自己免疫性疾患や感染症等)により関節炎をおこすことがあるため、関
節炎を認めた場合、それら疾患の鑑別が必要です。早期発見早期治療が重要で、免疫抑制薬や生
物学的製剤といった体の中の炎症を抑える薬を使って治療を行いますが、多数の新しい治療薬
が出てきている分野であり、薬の使い分けは専門的になります。
当院では小児リウマチ専門医による問診、診察、超音波検査、検査、治療を行っており、若
年性特発性関節炎の診断から治療まで当院外来で行うことができます(全身型以外は基本的に外
来で加療が可能です)。
当院での治療の受け方
当院小児科常勤医が診療します。希少疾患である小児膠原病症例を多数経験しており、厚生労働省科
学研究班での研究・行政活動歴があります。小児膠原病における超音波検査については医師・技師向け
の講演や手技指導経験があります。
膠原病初診日:毎週水曜日午後2時~3時半
担当医:謝花 幸祐
完全予約制:総合案内でも承っております。