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小児気管支喘・アレルギー性鼻炎・結膜炎について

小児の気管支喘息

症状

気管支喘息は、気管支(口・鼻から肺までの空気の通り道)に炎症が起こり、腫れて、その通り道が狭くなり咳やぜいぜいひゅーひゅーとした呼吸音が出たり、苦しくなる疾患です。日本では小児の約10%程度は気管支喘息であると推測されていますが、ぜいぜいしたことがある2歳児は25%前後との調査もあり、比較的よくある病態といえます。

呼吸器系の模式図

原因

小児の場合、気管支喘息はアレルギー性のものが多く、ハウスダストや花粉、ペット等が原因となることが多いのですが、アレルギーが無関係の気管支喘息も存在します。アレルゲンごとの血液中のIgE抗体量を測る血中抗原特異的IgE抗体検査で原因を推測することができます。

血中抗原特異的IgE抗体検査結果の例(イムノキャップ®︎)

問診と診断

咳の症状を診療する際は気管支喘息の病態が隠れていないか、保護者の方やこども本人にしっかり問診を行います。5歳以上の児童は、気管支喘息のための検査が行えますが、5歳児未満は検査が難しいことが多く、聴診所見やお家での様子をみて総合的に診断することが多い疾患です。「ぜいぜいひゅーひゅーとした呼吸音がないか」、「運動時・笑った時・睡眠中・冷たい空気を吸った時に咳が出やすいか」等を目安に気管支喘息を疑っていきます。場合によっては他のアレルギー疾患がないか、気管を広げる薬への反応や血液検査・レントゲン検査を参考にして診断していきます。

治療

気管支喘息の治療は、喘息発作が出ないようにする予防と、喘息発作が起こってしまった時の治療に分かれます。気管支喘息と診断されても大きな発作がなかったり、症状が出る頻度が低い場合は、予防が必要ではないこともよくあります。予防しなければならない気管支喘息と診断された際は、どの薬剤をいつまで予防薬を使用するか等、できるだけ過不足なく治療することを心がけています。また、自宅での吸入加療が必要となった際は吸入の説明や練習、指導を外来で行いつつ診療をすすめていきます。

予防

原因物質の回避に加えて必要に応じて薬物療法を行います。薬物療法で使用する代表的な薬剤はロイコトリエン受容体拮抗薬やステロイド吸入薬です。ロイコトリエン受容体拮抗薬は内服薬で、アレルギー性の炎症を沈めて、気管支を収縮させる物質ができるのを抑えます。ロイコトリエン受容体拮抗薬を使用しても不十分な場合には、ステロイド吸入薬を使用していきます。ステロイド吸入薬には様々な剤型がありますが、個人に合わせて必要な剤型を選択します。また処方時には、吸入をしっかり行えるように練習していきます。

発作時の治療

喘息発作は、アレルギーの原因物質の多量吸入や、気道の感染症によって起こり、ぜいぜいとした呼吸や激しい咳込み、呼吸困難等を認める状態です。発作になってしまった場合は、発作の程度に合わせて気管支拡張薬やステロイドを使用しますが、重度の場合は入院加療が必要なこともあります。

小児のアレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎

症状と原因

小児においても、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎はよく認められます(季節性の場合は花粉症です)。血中抗原特異的IgE抗体検査で、原因を推測することができますが、症状が出ているかどうかが最も重要で、検査はどちらかというと参考所見となります。 

治療

アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の治療としては、局所療法であるステロイド点鼻薬、抗ヒスタミン点眼薬、及び抗ヒスタミン薬の内服があります。抗ヒスタミン薬の内服はどうしても眠くなったり、集中力がおちること(インぺアードパフォーマンス)があるので、可能な限りまず局所療法をご提案し、点鼻点眼が難しいお子さんや局所療法だけでは改善しないお子さんは、抗ヒスタミン薬の内服を処方致します。抗ヒスタミン薬も強いものから弱いものまでありますので、相談の上で薬剤を処方していきます(ステロイド点眼薬は、眼科医の下での使用が必要な薬剤ですので、必要な場合は眼科との連携を行います)。

また、近年連日少量のダニやスギを舌の下に入れることで体を慣らしていき、ダニやスギへのアレルギー反応をなくしていく舌下免疫療法というアレルギー性鼻炎に対しての治療があります。当院でも可能ですので、ご希望の方はご相談ください。

当院外来でお気軽にご相談ください。ご予約は不要です。

・常勤医師が平日(土日祝以外)は毎日、外来診療を行っています。

・同一の医師が責任を持って病状の経過を診察します。

・待ち時間少なく受診できます。

・お子さんや保護者の方と相談しながら診療をすすめます。

・総合病院として検査も充実しています。