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胆石症でも総胆管にできる結石を、総胆管結石といいます。
総胆管は、消化作用を強化するために不可欠な胆汁を、十二指腸まで送るための大切な通路で、この総胆管に結石ができてしまう病気が総胆管結石症です。
総胆管結石
管に石が詰るという単純な障害ですが、治療しても合併症が起こったり、進行すると命に関わる重度な病気を発症するため危険です。
胆嚢でできた結石が胆管に移動するのが原因である場合が多く、右上腹部のさしこみといわれる疝痛や黄疸に発熱などの症状が現れます。人によっては何の症状も現れない場合もあるので注意が必要です。
胆汁は十二指腸へ向かって流れる液体です。しかし、胆汁の通路である総胆管が石で塞がれてしまった場合、胆管内に細菌が留まってしまい、胆管炎の原因となります。
その状態を放置すると敗血症やDIC(播種性血管内凝固症候群)などの怖い病気を発症する恐れもありますので、早期発見と早期治療が重要です。
胆管に結石があった場合は、症状の有無に関わらず、必ず治療しなければなりません。
治療は手術で行なうため、どうしても症状が無いと放置しがちになってしまいます。
内視鏡外科手術による一期的総胆管結石の治療(LCBDE)
従来の総胆管結石の内視鏡外科手術は、2ステップにより行なっていました。
まず入院した上で、内科の静脈麻酔下で胃カメラを施行します。
乳頭部を切開して総胆管の石を取り出すEST(内視鏡的乳頭切開術)を行ないます。
その後、全身麻酔下にてLAP-C(腹腔鏡下胆嚢摘出術)を行ないます。
患者さまは、内科的処置であるESTと外科処置であるLAP-Cの2回の手術リスクを負わなければなりませんでした。
第一東和会病院では、胆嚢結石と総胆管結石をすべて手術で1ステップにて治療します。(腹腔鏡下総胆管切石術:Laparoscopic com- mon bile duct exploration)
ESTの合併症である膵炎や、胆管炎、結石の再発が回避でき、1回の全身麻酔ですべて治療します。
2019年度は76症例を経験し、全国的にみても症例数は多く、また大きな合併症も生じておりません。
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