方針・理念
耳鼻いんこう科は、耳・鼻・のど・頸部の疾患を対象に、内科的治療から外科的治療までを行う診療科です。次のような治療を取り扱っています。
＜一般的な治療＞
・中耳炎や難聴
・めまい
・アレルギー性鼻炎
・副鼻腔炎
・扁桃炎など
＜専門的な治療＞
・機能障害（嗅覚・音声・嚥下障害）
・頭頚部腫瘍
当院では、総合病院の特色を生かして頸部エコー、CT、MRIなどの画像検査をスムーズに患者さまに提供し、必要な症例に対しては*エコーガイド下細胞診や病理組織診を行うことで、精度の高い診断を提供しております。2024年10月以降は新たに人員も加わり、鼻副鼻腔疾患、耳鼻咽喉科領域に関するアレルギー疾患に対して重点的に対応できる体制となりました。特に副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対する手術加療を積極的に行っております。頭頚部腫瘍など、複数人の医師サポートが必要な手術の際は、大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頚部外科からの応援医師を迎え、当院で診断から治療まで完結できる体制となっております。
エコーガイド下細胞診…超音波検査の結果を元に、病気の異常の疑いがある部位から細胞を採取し、標本を作製した後に顕微鏡で観察して診断を行う検査。
病理組織診…手術や内視鏡検査で取り出された組織を顕微鏡で観察し、良性・悪性の鑑別や診断名、病変の本態や広がりを判定する検査。
特色
当科で取り扱う代表的な疾患と治療は以下の通りです。
■アレルギー性鼻炎
・鼻汁、くしゃみ、鼻づまりの3症状を特徴とする疾患です。
・治療の基本は、内服・点鼻薬となりますが、重症例には内視鏡下での鼻内手術（＊鼻中隔、下鼻甲介手術）を行っています。
・免疫療法や、抗体治療薬を希望の方もご相談ください。
鼻中隔、下鼻甲介手術…鼻の内部に切開を入れ、弯曲した部分の軟骨を切除したり、突出した骨の部分を削り取る手術。
■慢性副鼻腔炎
・細菌・ウィルス感染を原因として生じる副鼻腔炎は一般的に投薬でのコントロールが可能な場合が多いですが、鼻茸（ポリープ）を形成している場合は手術が必要となります。
・近年、好酸球性副鼻腔炎という、鼻茸が鼻の中に多発することが特徴的な難治性の副鼻腔炎が増加しています。好酸球は通常、アレルギー反応に関与する細胞であり、その増加が炎症の原因となります。
・手術、投薬、抗体約治療による治療を行っています。
・内視鏡下鼻副鼻腔手術を受けられる場合は、おおよそ5～6日の入院を要します。
■急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、喉頭蓋炎
・炎症がひどく、息の通り道（気道）が狭まっている場合は窒息のリスクもあるため、必要と判断する例では入院での点滴治療を行っております。
■突発性難聴（急性感音難聴）
・急に発症した難聴です。耳閉感や耳鳴、めまいなどを伴うこともあります。
・発症後2週間以内のステロイド治療開始*を原則としています。
■顔面神経麻痺
・急に顔半分が動かしにくくなる症状です。めまいや難聴、皮疹を伴うこともあります。
・発症後2週間以内のステロイドおよび抗ウィルス薬治療開始*を原則としています。
*基本的には外来で治療を行いますが、合併症がある場合は入院治療も行っております。
*外来ステロイド点滴治療の場合、6日間は連日の通院で点滴します。
上記疾患以外にも、甲状腺・唾液腺・咽頭・喉頭腫瘍など、耳鼻咽喉科領域に生じた腫瘍も扱っております。頭頚部腫瘍に関しては、第4金曜午後の大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 河田了名誉教授の専門外来（完全予約制）、毎週金曜日午前の大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 寺田哲也専門教授の外来も開設、大阪医科薬科大学と密に連携して診療を行っております。
それぞれの疾患につき、適切と思われる治療法のご提案を行っておりますので、ご不明な点がございましたら、何なりと仰せ下さい。
2022年度 診療実績
外来診療患者(延べ人数)
| 外来患者数 | 4,807 |
| 入院患者数 | 498 |
耳鼻咽喉科手術実績
| 口蓋扁桃摘出術 | 14 |
| 甲状腺悪性腫瘍切除術 | 2 |
| 内視鏡下鼻・副鼻腔手術 | 2 |
| 耳下腺腫瘍摘出術 | 2 |
入院病名
| 前提機能障害(めまい・メニエール病) | 21 |
| 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 | 18 |
| 突発性難聴 | 9 |
| 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 7 |
| 顔面神経障害（顔面神経Bell麻痺） | 4 |
| 鼻出血 | 3 |
| 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 | 2 |
| 睡眠時無呼吸（症候群） | 2 |
| 上気道炎 | 2 |
| 帯状疱疹 | 2 |
| 甲状腺の悪性腫瘍 | 2 |
| 腺内唾石 | 1 |
| 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎 | 1 |
| 慢性副鼻腔炎 | 1 |
| 原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺腫瘍 | 1 |
| 正中頸嚢胞・側頸嚢胞 | 1 |
| その他の感染症（真菌を除く） | 1 |
| 総計 | 78 |
スタッフ紹介
| 名前（ふりがな） | 菊岡 祐介 （きくおか ゆうすけ） |
| 役職 | 医員 |
| 専門分野 | 耳鼻咽喉科 |
| 学会専門医 認定医 資格 |
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定耳鼻咽喉科頭頸部外科専門医 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医 日本医師会認定健康スポーツ医 日本パラスポーツ協会認定障がい者スポーツ医 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医 日本顔面神経学会認定顔面神経麻痺相談医 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定騒音性難聴担当医 |
| 名前（ふりがな） | 河田 了 （かわた りょう） |
| 役職 | 大阪医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科 教授 |
| 専門分野 | 頭頸部腫瘍、耳下腺腫瘍の診断と治療 |
| 学会専門医 認定医 資格 |
日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医 日本気管食道科学会 気管食道科専門医 日本がん治療認定医 日本頭頸部外科学会頭頸部癌暫定指導医 日本がん治療認定医機構暫定教育医 日本頭頸部外科学会頭頸部癌専門医 |
| 名前（ふりがな） | 綾仁 悠介 （あやに ゆうすけ） |
| 役職 | 耳鼻いんこう科 医師 |
| 専門分野 | 耳鼻いんこう科 |
| 学会専門医 認定医 資格 |
日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医 日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医 |
| 名前（ふりがな） | 谷内 政崇 （たにうち まさたか） |
| 役職 | 非常勤医師 |
| 専門分野 | 耳鼻いんこう科 |
| 学会専門医 認定医 資格 |