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■白内障の発症確率
白内障は、ほとんどの方が加齢とともに発症します。白内障を発症する確率は60歳代で70%、70歳代で90%、80歳代で100%です。現在日本人の平均寿命は男性81才、女性87才ですので、ほとんどの方が生きている間に白内障になります。
■白内障の症状
白内障とは、目の中のレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまい、光が通りにくくなり、見えにくくなる病気です。主な症状は以下の通りです。
一時的に近くが見えやすくなったり眼鏡が合わなくなる
視界が白くかすんだように感じる
夜、車のヘッドライトが非常にまぶしく感じる
まぶしさのため明るいところで見えにくい
物が二重、三重に見える
このような自覚症状があれば、白内障の疑いがあります。徐々に進行するため、本人が気づかないケースも多々あります。
■白内障の主な原因
最も多い原因は加齢によるものです。また、以下のケースでは年齢に比して早く進む可能性があります。
・糖尿病 ・アトピー性皮膚炎 ・外傷 ・ステロイド剤の使用などがある場合
■白内障の治療
混濁した水晶体を透明にする薬はありません。進行を遅らせる薬はあります。現在のところ唯一の治療法は手術です。手術は黒目と白目の境付近にナイフで幅2mm程度の切開創を作成し、そこから眼内に器具を入れ、超音波の振動で水晶体を細かく砕いて吸い取ります。その後プラスチック製の眼内レンズを挿入し固定します。
■治療の新しい選択肢「多焦点眼内レンズ」
近年、複数の距離に焦点を合わせたり、焦点が合う位置を広くしたりすることが可能な多焦点眼内レンズが出てきています。遠方(5m以上)と読書をする位置(30cm)、パソコンを見る位置(70cm)、カーナビを見る位置(1m)など複数の距離に焦点を合わせることができるようになります。眼鏡を使用しなくても生活をしやすくなるという利点があります。
欠点は、光のまわりに輪がかかってみえたり、光のぎらつきがまぶしく感じたり、ピントが合っていても白みがかった景色に見えたりする可能性がある点です。また、多焦点眼内レンズは保険適用外です。現在(2023年調べ)日本では約5%の普及率です。
当眼科では、手術経験豊富な医師が在籍しております。また、多焦点眼内レンズを地域でもお求めになりやすい価格でご提供しております。
選定療養レンズ代金 一例(手術・薬・定期検査代は別途必要)※片眼・税込表記
片眼分 | 乱視矯正不要 | 乱視矯正必要 |
3焦点眼内レンズ(Clareon PanOptix, Clareon PanOptix TORIC ) | 198.000円 | 238.000円 |
焦点深度拡張型レンズ(Clareon Vivity ) | 198.000円 | – |
▲単焦点眼内レンズ
近くの焦点を合わせた場合遠くはぼやけてしまう。
▲単焦点眼内レンズ
遠くの焦点を合わせた場合近くはぼやけてしまう。
▲多焦点眼内レンズ
複数の距離に焦点を合わせることができる。眼鏡を使用しなくても生活しやすい。
■早期の治療を推奨しています
一人暮らしで寝たきりになっているため病院に通えなかったり、指先が不自由で手術に必要な点眼薬をさすことができなかったりするケースでは、世話をしてくれる方が周りにいないと手術が受けられないこともあります。
白内障が高度に進行すると、手術の難易度が上がり手術時間も長くなりますし、合併症が生じる可能性が高くなります。人間が得る情報の8割は視覚からといわれており、視力が落ちることで生活の質が落ちてしまいます。移動にタクシーを使ったり、介護が必要になったり、生活コストが上がってしまいます。また交通事故や転倒骨折のリスクが高くなったり、認知症、うつ、神経症が悪化したりする可能性も最近は指摘されています。
このような状況を踏まえて、ある程度の症状が出た時点で早めに治療を受けるよう、当院でも周知していきたいと考えています。まずはお電話でご予約をお願いします。