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小児アレルギー疾患について

アレルギーは免疫の病気です。免疫とは体の中に入った「有害」な異物を攻撃するシステムです。本来は「無害」なはずの異物に対しておこる過剰な免疫反応により、体に有害な症状が出現することをアレルギーと呼びます。

アレルギー疾患には、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎等があります。

食物アレルギーの病型

食物アレルギーは食べ物によってひき起こされるアレルギーです。日本における食物アレルギーを有する乳児は、全体の約10%とされており、決して珍しいものではありません。食物アレルギーには様々な病型がありますが、なかでも小児に多いのは「即時型」です。原因食物を摂取するとすぐに症状が現れることが特徴です。

即時型食物アレルギーの症状

症状は、次のようなものです。

・皮膚のかゆみ・赤み・蕁麻疹

・口唇の腫れ・口の違和感

・眼の充血やかゆみ

・嘔吐、腹痛、下痢

・くしゃみ、鼻水、鼻づまり

・咳、呼吸困難感、ぜいぜいひゅーひゅーとした呼吸、声がれ

・血圧低下、不機嫌、意識障害

即時型の食物アレルギーでは、摂取直後から2時間以内に症状が出現することが殆どで、重度の場合は全身症状となるアナフィラキシーに至ります。

※アナフィラキシー

発症後、極めて短い時間のうちに全身にあらわれるアレルギー症状です。主にアレルギーの原因物質に触れる、食べる(飲む)、吸い込むことで複数の臓器(皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器など)や全身にあらわれます。このアナフィラキシーによって、血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあります。この生命に危険な状態をアナフィラキシーショックといいます。

即時型食物アレルギーの原因食物

乳児期は鶏卵、牛乳、小麦が原因食物となることが多いですが、これらが原因となるアレルギーは、約65-85%程度の方が治ると言われています。幼児期では、これらに加え、くるみをはじめとする木の実類やピーナッツ、魚卵アレルギーが多く、学童期以後は甲殻類や果物のアレルギーが増えてくる傾向にあります。

<特に発症数が多く、重篤度を考慮すると食品表示の必要性が高いとされているもの

経皮感作について

食物アレルギーを発症する原因として経皮感作があります。経皮感作とは、皮膚からアレルゲンが侵入して免疫と反応し、アレルギー反応を起こす体質になってしまうことを言います。未治療のアトピー性皮膚炎等で皮膚が痛んだ状態であると、皮膚を通じて食物等の物質が微量体内に入りやすくなります。

以前まで、食物アレルギーは消化管でアレルゲンが吸収され感作が成立する腸管感作が主体と考えられていました。ところが近年の研究結果から、スキンケア不足による「経皮感作」により食物アレルギーは進行し、食物アレルゲンを症状なく食べて摂取を続けることにより、食べたものに対して過剰なアレルギー反応を起こさないようにする仕組み(経口免疫寛容)が誘導されることがわかってきました。

食物アレルギーの診療について

1.問診

診断において最も大事なことは問診です。どんなものをどれくらいの量食べて、どんな症状がでたのか等、お子さん自身や、保護者の方がしっかり把握していくことが大切です。

2.検査

問診の次に、必要に応じて検査を行います。血液検査では血中抗原特異的IgE抗体検査という検査を行うことで、様々な品目について調べることができます。他の検査として皮膚プリックテストという15分程度で行う皮膚で行う検査を行うこともあります。さらに、必要に応じて、アレルギーの原因食物(疑い食物含む)を実際に食べてみる食物経口負荷試験を当院外来でも行うことができます。入院で行う必要があるリスクの高い食物経口負荷試験となる場合は、大阪医科薬科大学病院などの近隣の連携施設を紹介の上、日帰り入院で行うこともあります。

血中抗原特異的IgE抗体検査結果の例(イムノキャップ®︎)

3.診断と治療

診断がついた後は、以下のことを決めていきます。

「家ではどのように制限していくのか・どのように食べていくのか」

「保育園・幼稚園・学校での対応はどのようにするのか」

「万が一アレルギー症状が出たときはどうするのか」

必要以上の食事摂取制限をしないようにしていきますが、アレルギーの状態や環境は人それぞれ異なるため、保護者の方、そして、年長児であれば本人とも相談して決めます。アナフィラキシーの危険がある場合は、エピネフリン自己注射(エピペン®︎)の携帯を提案することもあります。エピネフリン自己注射は処方資格が必要な薬剤です。当院でも処方可能です。どのような形で保管、緊急時はどのように使用していくのか等を相談のうえ、処方を行います。

エピネフリン自己注射(エビペン®︎)

気になる皮疹がある場合は、当院外来でお気軽にご相談ください。ご予約は不要です。

・常勤医師が平日(土日祝以外)は毎日、外来診療を行っています。

・同一の医師が責任を持って病状の経過を診察します。

・待ち時間少なく受診できます。

・お子さんや保護者の方と相談しながら診療をすすめます。

・総合病院として検査も充実しています。